モーリス コール先生の来日2日目。
今日はモーリスも息子のダミアンも疲れているということで遅めのスタート。
朝の9時に工場へ行きメールのチェックなどで結局昨日からハンドシェープを始めた
モーリス本人用のボードの続きが始まったのはすでに10時くらいだった。
ダミアンは何もする事がないので近くのビーチにサーフィンしに行きモーリスは急いで自分用のボードを仕上げていた。
年に一、二回しか会えないので愛する息子のダミアンを一緒にサーフィンするのが心より楽しみなようだった。
ダミアンがサーフィンから戻ってきたのは昼過ぎの2時位でモーリスはすでにシェープが仕上がっており
マスターワークスのラミネーターにバトンタッチしラミネートに入る作業に入っていた。
通常はシェープ済みのフォームをラミネートして最後の行程であるサンディングまでは3、4日間はかかるが、
モーリスがラミネーターにものすごい圧力をかけ1日で仕上げるように指示をしていた。
ラミネーターはそんな事はやりたくないし失敗する可能性が高いとモーリスに伝え嫌がっていたが
モーリスがすごい方法があると言い張り何とか作業をするようにラミネータに伝えた。
そのやり方はこうだ。まずはモーリスはサーフボードの発送に使用するダンボールをカッターで切り始め、
ラミネートをする作業部屋に棺桶のようなものを作り始め、その中に電気ストーブを置き温め始めた。
温度を一定に上げあとはラミネーターにボードのラミネートを始めるように指示をした。
通常とは全く違う量の硬化材などの量にビックリしたがなんとかラミネートが完了したのだった。
そしてラミネートが施されたボードをモーリスがそのダンボールで作られた箱に(モーリスはオーブンと呼んでいた)ボードを入れようとした。
しかし、そこがやっぱりモーリス。全く長さや大きさを考えて作っていなかったので
なんとボードがせっかく何時間もかけて作ったオーブンに入らなかったのである!!!
そこで前代未聞の歴史的ハプニングが起きた。。。
まずモーリスは信じられないような言葉を叫びながらをゴジラの様にオーブンを破壊した。
その後、工場の壁を思い切りパンチして穴を打ち開けた。
更に自分が以前にシェープした工場に置いてあったケリー スレーター用のボードをぶん投げた。
そしてなぜか叫びながら真っ暗な部屋に消えて行った。
恐る恐る彼の様子を見に行くと子供の様に不貞腐れながらベッドに横たわっていたのだった。
たまたまその場所にいて一部始終を見ていた某有名ウェットスーツの社長のT氏も恐怖を感じ帰ってしまった。
しかし息子のダミアンは波もなかったかの様に父親でもあるモーリスを無視していた。
1時間後にモーリスが部屋から出てきて信じられないくらい腫れ上がった手を見せてきて
“多分さっき壁を殴った時にヒビが入ったか骨が折れた。
今回のトリップは終わりだ。ホテルに送ってくれメシも要らない”と言ってきた。
病院へ連れて行こうとしたが彼はそれを拒否した。ホテルに送るまで会話は一切なし。
その後も彼とは連絡が取れていない。果たして2日目でこの状況で後12日間どうなるのか。。。